伝わるメニュー英語ガイド
最終確認: 2026-07-10
日本語の料理名は、比喩(親子)・由来(きつね)・調理の擬態語(しゃぶしゃぶ)を含むため、単語ごとの直訳では伝わりません。本ガイドでは、翻訳事故の定番NG例と、本サイトの全品目が従っている「伝わる型」を解説します。
伝わる型: ローマ字+「主素材+調理法+味付け」
メニュー英語は次の2行構成が基本形です。
- 1行目(料理名): ローマ字の料理名 + 短い英語名。例:
Karaage — Japanese Fried Chicken - 2行目(一言説明): 主素材+調理法+味付けを20語以内で。例:
Juicy fried chicken marinated in garlic soy sauce.
この型には3つの実務的なメリットがあります。
- 注文できる: お客様がローマ字を読み上げれば、英語が苦手なスタッフにも「カラアゲ」で通じます。
- 誤解がない: 説明は事実(素材・調理法)だけなので、文化的背景を知らなくても内容が想像できます。
- 名前が資産になる: SushiやRamenのように、 料理名そのものを覚えて帰ってもらえます。翻訳名だけだと記憶に残りません。
一言説明文のテンプレート
2行目の説明文は、次の型に素材を当てはめるだけで書けます(いずれも20語以内)。
- 焼き物: Grilled [素材] with [味付け]. 例: Grilled chicken skewers with sweet soy glaze.
- 揚げ物: Deep-fried [素材] in [衣]. 例: Large shrimp fried in light, crispy batter.
- 丼: Rice bowl topped with [具]. 例: Rice topped with sweet soy-simmered beef and onion.
- 麺: [麺] in [スープ] broth. 例: Wheat noodles in rich pork bone broth.
- 鍋: [素材] hot pot with [だし/たれ]. 例: Chicken and vegetables in mild broth, with citrus soy dip.
「sweet soy(甘辛醤油)」「dashi(だし)」「savory(旨味のある)」は和食説明の頻出語で、この3語だけでもかなりの品目をカバーできます。
直訳NG例と正しい書き方
機械翻訳のメニューで実際に起こりがちな直訳事故の代表例です。「なぜ伝わらないか」ごと覚えると、他の品目にも応用できます。
| 日本語 | NG直訳 | なぜ伝わらないか | 伝わる書き方 |
|---|---|---|---|
| 親子丼 | Parent and Child Bowl | 「親(鶏)と子(卵)」の比喩は英語では意味不明で、人によっては不気味に響きます。 | Oyakodon — Chicken & Egg Rice Bowl |
| 冷奴 | Cold Guy | 「奴」を人と誤訳した機械翻訳の定番事故。料理の内容が一切伝わりません。 | Hiyayakko — Chilled Tofu with Ginger & Soy Sauce |
| きつねうどん | Fox Udon Noodles | 狐の肉が入っていると誤解されます。由来(狐の好物)は説明に不要です。 | Kitsune Udon — Udon Noodle Soup with Sweet Fried Tofu |
| たぬきそば | Raccoon Dog Soba | きつね同様、動物名の直訳は誤解のもと。天かす(tempura bits)を書きます。 | Tanuki Soba — Buckwheat Noodle Soup with Crispy Tempura Bits |
| ホルモン焼き | Grilled Hormone | hormoneは体内物質の意味にしかならず、薬品のような印象を与えます。 | Horumon-yaki — Grilled Beef or Pork Offal |
| しめ鯖 | Closed Mackerel | 「締める」の直訳は調理法として伝わりません。酢締め=vinegar-curedです。 | Shimesaba — Vinegar-Cured Mackerel |
| 山かけ | Mountain Hanging | 比喩の直訳で意味不明に。とろろ(grated yam)をかけた料理と説明します。 | Yamakake — Sliced Raw Tuna Topped with Grated Yam |
| お通し | Compulsory Appetizer | 「強制」と訳すと印象が最悪です。席料込みの小鉢という事実を丁寧に書きます。 | Otoshi — Small Appetizer Served to Every Guest (Seating Charge) |
迷いやすいポイント
- ローマ字だけで通じる語: Sushi / Sashimi / Ramen / Tempura / Matcha / Wasabi / Tofu は英語として定着しています。これらは説明を短くできます。
- 「焼きそば」の罠: 名前に「そば」を含みますが多くの店で小麦麺です。そばアレルギーの誤解を防ぐため 「Yakisoba noodles contain wheat, not buckwheat.」の一言が有効です。
- 数量・単位: 串もの(2 skewers)・貫(2 pieces)・杯(glass / carafe)は数字で書くとトラブルを防げます。「1人前」は per serving。
- 辛さ・生もの: spicy(辛い)・raw(生)・contains alcohol(アルコール入り)は、好みや宗教・体質に関わるため積極的に明記します。
仕上げのチェックリスト
- 比喩・由来を訳していないか(親子・きつね・たぬき)
- 1品目=ローマ字+英語名+一言説明(20語以内)の型になっているか
- 生もの(raw)・辛さ(spicy)・アルコールの明記があるか
- アレルゲン表記(Contains:)は自店のレシピで確認した事実か(アレルゲン表示の基礎参照)
- お通し(Otoshi)の説明と料金の明記があるか
本ガイドと収録品目の英語表記は、伝わりやすさを優先した書き下ろしのたたき台です。店のスタイルに合わせて調整してご利用ください。